正月

 写真は栃木県宇都宮市にある大谷資料館です。住宅の囲いなどに利用されている大谷石が採掘された所ですが、その石を切り取った空間が公開されています。広さは野球場が1つ入ってしまう程でライトアップにより、異国の遺跡を訪れたような感じも受けます。今では、コンサートや美術展なども開かれ、イベントスペースとして活用されているようです。ここへの入り口には喜太郎(オカリナ奏者)のポスターも貼ってありました。実はゆきたんくはこの日自分が飲んでいる江戸川(松戸市)の水のルーツを探るべき水源の奈良俣ダムの取材に行くつもりでした。しかし、日帰りは非常にきついことに途中で気づき、進路変更した時に以前より立ち寄りたかった大谷資料館によることに決めたのです。(水源の取材は、渡良瀬遊水地…谷中湖と利根大堰になってしまいましたが)
 この巨大空間が一時期陸軍の糧秣廠・被服廠の地下秘密倉庫や中島飛行機(現 富士重工)の地下軍需工場、政府米の保管倉庫として使われていたのを知った時にはにはびっくりしました。中はひんやりとしていて、気持ちのよい空間です。自然の冷蔵庫たる所以です。空気が少し粉っぽいのが気になりましたが、それさえなければ何時間でもいたくなる空間です。とかく日本は過去の忌まわしい歴史を忘れたい気質を持っているようですが、これからはそれさえ飲み込んで未来への糧にしていかなければならないのではないでしょうか。その意味で、日本の各地に点在している、この大谷資料館のような遺構の保存が行われることに思い至ったゆきたんくであります。
録月       思至月(しちがつ)     巴弛月