寝覚め月  
 9月になります。
緊急事態宣言が悲しく響きます。
毎年、この月には旅行に出かけて見分を広げていました。
というつもりで過ごしておりました。
昨年今年と遠出はできていません。
 今回、那珂湊の「反射炉跡」を見学に行きました。
 何度か訪れている場所でしたが、友人が行ったことがないということで、久しぶりに行きました。
その帰りですが、友人が日本初のステンレスカーが那珂湊駅にあるということで探しました。
 今は台車を脱ぎ、レールの上にいないステンレスカー「ケハ601」を見つけました。ゆきたんくと同じ60年の年月を過ごし、現役を引退して、市民団体「おらが湊鉄道応援団」
が整備しギャラリーとして第二の人生を歩んでいるということです。

 ステンレスカーというと思い出すことがありました。
ゆきたんくが、まだ3~4歳の頃品川区は中延の4畳半のアパートに父母と三人家族で暮らしていました。両親は共働きで、ゆきたんくは母親に手を引かれ電車で保育園に行っていました。当時の田園都市線(現大井町線)に乗り、大岡山で目蒲線に乗り換え、武蔵小山で降ります。
 飽きも帰りも乗り換えがあるのですが、ゆきたんくは「ちろいでんちゃじゃなくちゃいやだぁ~」と駄々をこねて、何本か電車をやり過ごしたということでした。仕事帰りで疲れている母も、ゆきたんくの願いを聞き入れてくれたのでしょう。
 その「ちろいでんちゃ」がステンレスカーだったのです。それ以外の車両は緑色だったでしょうかね。今では見ることが少なくなったアオガエルも走っていましたね。
 つい昔を思い出してしまいましたが、ゆきたんくが乗っていたのは、東急のステンレスカーでした。この写真の車両とは違いますが、同い年ということで感じた親近感、ステンレスカー命だった幼少の頃の思い出がリンクしてしまいました。コロナ禍のおり、遠出はできませんがこのような出会いは心を暖かくしてくれました。
8月 9月 10月