第1見学広場へ

 さあ、第一見学広場へ戻る。

見落としたものはないか。

ここに来るまでに撮っていないものはないか。
 何かいる。

30号棟の窓のところだ。
 老眼が良かったのだろうか。

鳥がいる姿をみることができた。

無機質な遺構に生き物がいるだけで嬉しいではないか。
 かつて第三竪坑捲揚げ機のあった施設の内壁である。最終的に総合事務所として使われた。

 このように補強がしてあるだけで随分と寿命は延びるだろう。
  会社事務所の建物である。

 ここに窓ガラスが付いていたら。

瓦礫がなかったら。

現役時代を想像してみた。
 世界初の海底水道のパイプが通っていた場所をあらためて見る。

 逆側に視線を向けると、島の端にある端島小中学校までの景色を一望することができた。
  再び思い入れのある3号棟。
 野母や高浜の辺りだろう。

 半年前は、向こうからこちらを見ていた。
 第一見学広場から、歩いてきた方向を見る。

島の南西側だ。

ここをたくさん鉱員が歩いていたのだ。
 第一見学広場の横には、「選炭機」があった。

 当時、世界最良の質を誇った高島・端島炭鉱でも選炭の作業は欠かせなかったのだ。

   
Copyright Yukitank All Rights Reserved.