雪待月

 11月は霜月と呼ばれます。
霜が降る月だからだそうです。

 しかし、私は11月の別称「雪待月(ゆきまちづき)」の方がしっくりきます。
朝夕の空気の冷え具合や、窓にうっすらと見える結露など冬が来ることを予告しているからです。

 写真は日光の奥湿原、戦場ヶ原の泉門池です。
 凍ってこそいませんが、じっと沈黙を守っている池の水面に葉を落とした樹木が映ります。昔、鏡がなかった時代、その時代の人に、この景色はどのように映ったでしょうか。

 荒涼とした中に凛とした池があるだけで絶景と言えます。

 寒くなり、木々の葉が落ち寂しさを感じさせる季節の泉門池は格別の美しさだと思います。
 いろいろな意味で冷えている昨今。荒涼とした世間の中に自分の心持ち次第で絶景と言える風景を作れないでしょうか。

 寒さ増すほどに、逆に暖かい気持ちを持ちたいものです。
秋晴れ            11月             春待ち月