松原諏訪神社の梵鐘(野ざらしの鐘)
この鐘は、弘安2年(1279)信州佐久郡大井荘(庄)落合の新善光寺に大井荘(庄)地頭源朝臣大井光長が寄進したもので、大和国下田村鋳物師伴長の作で、長野県最古の在銘梵鐘である。
池の間の飛天の陽刻は鎌倉期の梵鐘では全国二例だけで、上帯には雲の紋様、下帯には流水文を陽刻、乳は宝珠形で四段四列に配置され62個ある。銘文は池の間に92文字、駒の爪下面に60文字が陰刻され、本鐘と落合新善光寺の一光三尊金鋼仏の成立の由来が記されている。
念佛始之勧進法阿弥陀仏
この鐘はもと落合新善光寺の鐘であったが、後に落合慈寿寺に伝わり、戦国時代武田軍が佐久に侵入したとき奪ってきて松原諏訪神社に寄進したものである。
この鐘を屋根の下におくと、火事の難に遭うというところから、野ざらしにされ、以来「野ざらしの鐘」と称されている。
総高126cm 鐘身長92.5cm 口径75cm
昭和36年2月7日 国重要文化財指定
小海町教育委員会