自分は親と離れたくて全寮制の高校へ進学した。
ここならば自分の思い通りにできる。うるさく言われることはないのだと思った。
しかし、世の中はそんなに甘いものではないことを思い知らされることになる。
一週間に7時間も体育の時間があったのだ。
「おぉー、なんでこんなに体育の時間があるんだぁ。」
そして寮の朝は起床が6時30分、6時45分には点呼場で点呼がある。
「1、2、3、4、5、6、7、6、8、9、10、11、欠
一班総員23名、現在員22名、○○室の××君が保健棟です。」
とかやるわけである。1秒足りとも遅れたら300mのグラウンドを3周走らねばならないのである。
体育学校みたいな高校へ進学してしまったのである。
高校案内にはそんなことは一つも書いてはなかった。全寮制生活による、規則正しい生活をすることで健全な心身の育成を図るとは書いてあったが・・・
まぁ、今になって振り返るとそのような環境に身を置くことができたのは大変幸せであった。逃げたくても逃げれない、逃げるには学校を退学する以外にはなかったのである。小心者の私はとてもじゃないが学校をやめる勇気がなかった。
仮にやめて地元に戻ったとしよう。仲間達の手前恥ずかしいのは元より、恐ろしいのは親父であった。きっとたたき殺されたであろう。
日々逞しくなる自分に気がつかないまま全寮制生活は続いたのであった。
そして・・・
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