空路…成田まで

 成田行きのエティハド機の中にいる。
後は任せるしかない。
スパイシーな食事を楽しみ、機外の星空を楽しむ。 
 しかしね、英語を自由に操れないということはまずいということだ。
デュッセルドルフ国際空港のカウンターでの話。
荷物の券は成田行きになっている。
人間様(ゆきたんく)の券はアブ・ダビまでの1枚。
アブ・ダビから成田までのもう1枚を欲しいと言う。

カウンターの女性は、アブ・ダビでもらえという。
トランジットの時間が短いので、券を出してくれというが聞いてくれない。
結果、アブ・ダビ着の後、滑走路からターミナルまで10分かかった。
トランジットの入り口で「成田までのチケットは?」と聞かれたので、「ここでもらえと言われた」ことを伝えた。

30分待たされ、アブ・ダビまでの券と成田までのeチケットを見せると、
「あなた、遅い。」
とカウンターの女性に怒られてしまった。
「いつ来たの?」と聞かれたので「30分前から並んでいる」ことを伝えた。

明日から仕事が入っている。
この便に乗れなかったら非常にまずい・・・

そうしているうちに出発10分前。

カウンター女性が券を出してくれた。
「あと5分で、セキュリティーチェックを受け搭乗口に行くよう。」と言われた。

この時は久しぶりに走ったゆきたんくである。
心臓バクバク、汗はダラダラ、AEDのお世話になるのではないかと思った。
 まあ、機上にいる。
ふと窓の外をみるとヒマラヤだろうか。

雪を冠いただいた綺麗な山が見えた。

そして少し眠ることにした。

機内にいても緊張が抜けなかったからだ。

隣の席にイケメン兄ちゃんが座った。

身長はゆきたんくより高い。(ゆきたんくは180p)

しばらくして父親らしき人が来て話している。

英語ではない。
ドイツ語でもない。

おぉ、コミュニケーションはアウトか・・・

不思議なことが起こったのはその後のことである。
 目が覚めた。
隣を見る。

さっきまでいた、北欧風のイケメン兄ちゃんの代わりにアジア系の小柄な女の子が座っていた。

「?????」

まぁ、日本人の可能性もあるので、思い切って日本語で話しかけてみた。

日本人だった。

そして、なぜ変身してしまったについて聞いた。

 まぁ、プライベートな内容だな。

 座っていたのはお兄さんだということ。

 親が再婚したので、似ていない兄妹だということ。

 親の結婚のお祝いに旅行に行くことになったが、5人で出かけるのにビジネスシートが4人分しか当たらなかったということ。 

 そして兄妹でビジネス席を半分の時間ずつ使おうということにしたこと。

 変身の理由は分かった。

 本当にびっくりしたのだからね。

 そして極めつけは、父親とどこの国の言葉で話していたのか分からなかったイケメン兄ちゃんは4か国語がペラペラで日本語も達者だということ。

 それなのに、トイレに行く時にわざわざジャプリッシュで話しかけていたゆきたんくであった。

 「なんだぁ〜」てな感じである。


 そういえば、シートベルトを締める時に、相手のベルトの金具に間違ってはめようとしてはまらなかったことがあった。まぁ、お互い隣同士で同じことをやっていたのだ。

 その時にゆきたんくは「逆かぁ」と小さくつぶやいたのであった。
 イケメン兄ちゃんは「アッ、ギャクネ」と言っていたのである。
 父親とイケメン兄ちゃんが聞いたことがない言語で話していた先入観から日本語と理解することができなかったゆきたんくなのであった。
 成田からはいつものスカイパーキングさんに置いてある車で安食を通って帰宅である。


 明日から仕事のゆきたんく。

 遊んだ分、頑張るぞ。


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