グレート・コート2

グレートコートの自然光を利用した明るさは目に優しく、コート一帯を淡いライトブルーに染めている。実際には広い空間で、見学初体験の者を迷子にしてしまいそうな広さも、包まれているという感覚に安心してしまう。東西南北に分かれた大きな建物、大きなドーム状の閲覧室がある中央の円筒部分をパッケージにしてくれるのがこのグレートコートなのである。通常なら雨ざらしになるはずの展示物も安心して飾られているようである。
グレートコートの展示物たちである。かわいそうに首だけのものとか途中から折れてしまって接いであるもの、削れているものなどがある。しかしながら、ここに安住の地を得て毎日のようにたくさんのギャラリーが訪れることを考えると、ここにいることが、そんなに悪いことではないだろうと思えるのだ。モアイなんかは場違いな感じがするが、ちゃんと遠い故郷の空を見ているような気にさせられるポーズである。