ゆきたんく

   今回の旅の予定にしっかり入っていたのがこの出雲そばの店「そばの加儀(かぎ)」。三段に詰まれた割り子にはいったそばにじかにだしをかけて食べるのである。そばは甘く、薬味との塩梅もいい。よいそばは薬味はいらないというが、出雲のそばは薬味と一体になった味がよいのである。それも引きぐるみのそばの強さがあってこそかもしれない。白壁と格子戸のたたずまいがいいし、入り口角のそば守観音がかわいい。
 ふと横を見ると、昨今では見なくなった電話・電報の丸看板である。懐かしくなってしまったので一枚。
 これはそばやの向かいにある慈眼寺である。反射的に写真を撮ってしまった私はもう病気であろう。入り口手前の石柱のすぐ後ろに「南無妙法蓮華経」と彫った石碑があるが、これは誰に対してのものなのか…