「伊三郎」よりも上の方には「和田屋」があり、そこが泊まれる合掌造りの宿では一番高い位置にあるものだった。
「和田屋」を越えるとすぐに側道があったので行って見た。そこには合掌造りのかわいい農器具庫があった。旅行雑誌には紹介されないであろう場所にも伝統的な香りはあるものだ。とても得をした気分になった。
だんだん明るくなってきた。遠方の山々に太陽の光が差し始めた。歩を進めるとそこには棚田があった。その地方の環境にあった方法で、生活の糧を得ることを考えた先人たちの知恵が、この白川郷に詰まっていることが分かる。