大佛胎内の特徴
巨大な鋳造の内部が、このように美しく鋳型跡が判然と見られることは他に類がない。鋳からくり(銅壁の上段と下段のつぎ合せ方)がよくみられ、鎌倉時代の巨像の工法とその技術の勝れたことがよく判る。頚部の内面の「ねん土」を縫ったように見える部分は昭和35年(1960)に強化プラスチック(ガラス布)を張り重ねて、頭を支える力を強化したものである。
この仏像のゆかは、大地震の際にはその下の台座から離れて地震の方向に辷るように造られてある免震構造、但し、どんな地震でも、仏像の重心が台座の外に出て、仏像が倒れることは絶対にない。
プラスチックのこのような利用と免震構造とは日本文化財としては最初のものである。
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