ゆきたんく

  川越名所の一つ、「時の鐘」である。旅行雑誌などではよくよくお目にかかるが、実際に見るのは初めてである。
 国道39号線の途中に「かねつき通り」の入り口がある。舗装された道ではなく、石畳の通りである。道の両側には商店が立ち並んではいるが正月早朝のことゆえ、店はどこも開いていない。ゆうゆうと店のシャッターの前に車を停めて(いいのか?)「時の鐘」の見学である。ちなみに人間の目は、地球上の生物の中で一番優秀であるそうだ。この薄暗い景色も絞りを開いて普通に見せてくれる。ここはあえて露出補正をせずに日陰と日向の差を楽しんでもらいたい。  
 
   
 「時の鐘」の下は「薬師神社」になっている。明治26年の川越大火で焼失したそうだが、江戸時代のそのままの姿を踏襲したそうだ。蔵造りの町並みと音風景を残したいという川越の人々に大切にされていることが分かる。 
 
  神社の中にまた神社。よくみかける光景であるが、ここはちょいと新しい。全体のバランスの中では違和感を発しているが、規模が小さいのでさほど影響はないようである。
 電動になったとはいえ、未だに現役の「時の鐘」。日に4回鐘が鳴るそうである。今度来た時にはその音色を聞きたい。川越の「音風景」にであいたいのである。