ゆきたんく

 磯部についた。
 駅に降りて最初に目に飛び込んできたのは、「ようこそ磯辺温泉へ」という目玉看板ではなくて、その隣につつましく立っていた「恐妻碑」である。

 上州の女性は気が強いというのは聞いている。
 恐妻の故郷なのだろうか。
 お宿に着いた。
 おじいさんと雀の仲むつまじそうなのが良い。
 そばに老いてあったはさみがなんと言えない存在感を出していた。