尾部

 後輪だ。
これが,ゼロ戦の移動,着陸時の要であった訳だ。
もっとも着陸は前輪が接地した後に後輪が接地するので大きな負荷がかかる訳ではないだろう。
 小さなタイヤだったのだろうが,さらに削れて小さくなっているのか劣化したのか。
 初期の零戦が2.3t,後期は3.2tになる。
いずれにしても,その1/3の重さはこの小さなタイヤが受け止めていたのだろう。
 本当はこんなに近づいて見てはいけないのだが,所員の方が,踏まなければいいよと・・・

 億の価値がある機体である。
 日本人の知恵の凄いところ。
この写真の中にワイヤーが見れると思う。
方向舵を動かすワイヤーの工夫だ。
「剛性低下方式による操縦応答性の改良」というのだそうだ。
 ワイヤーの合成をあえて下げることで,操縦桿を同じくらい動かしても,速度の遅い時は多めに,早い時は少なめに舵が動くようにしたことである。

   
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