サンフレーズ

 以前から気になっていたお店がここ「くりや」である。新松戸のダイエーへ買い物に行くとき使うゆりのき通り(地図の印があるところの通り)沿いにあるのだが、お向かいのカーサを利用することが多かった。職場の仲間と土曜の昼食をとるのに入ることにした。一回に気に入ってしまった。昼食と書いてあるのになぜ夜の写真かって?これは女房がでかけている時に次男と食事をした時の写真だからである。では、すてきなカレー屋さん「くりや」の紹介をしよう。
 時々、配置が変わるが店内のBGMはビートルズを主に心地よいメロディーで溢れている。写真にあるようなバンドの置物や壁にはミュージシャンのCDジャケットや歌の歌詞を黒板にチョークで書いたものまである。そうそう、メニューも黒板にチョークだ。そのコーディネーションが何とも言えない演出になっているのだ。
 料理ができるのを待っている間、写真にある瓶のお茶(ジャスミン茶?)が空腹を慰めてくれるのである。何の抵抗もなく喉を通り抜けていくお茶が鼻腔をすっきりとさせ、間もなく出来上がるカレーの香りをストレートに感じさせてくれるのだ。写真の中のつっくん(次男)はもうカレーに手をつけているが、途中で飲むお茶は舌の余分な脂肪を洗い流し、新鮮な味わいを蘇らせてくれるのである。ゆきたんくはお茶をおかわりしたこともある。食事中もマスターと奥様が味の加減とか、私たちの様子を見て優しい気配りを注いでくれるのである。
 これはブロッコリーとコロッケが乗ったカレーである。ご飯にはハーブがふりかけてあり見た目も楽しい。きれいに平らげたことから味の細かい説明はいらないだろう。ぜひ食していただきたい。
 これはもしかしたら日本でここでしか食べれないメニューだとゆきたんくは思っている。韓国料理に石焼ビビンバというのがあるが、その石の器にドライカレーが入っているのである。何種類かあるうち、石焼チーズを注文した。熱々に焼けた器にドライカレー、卵の黄身が乗っている。好みでゆで卵をトッピングした。見た目ばかりでなく音も楽しませてくれるのである。
 中身をかき混ぜて木のスプーンでカレーをひとすくい、石碗の壁で少しおこげを作って口に運ぶ…。香ばしいカレーの風味と熱気をハフハフしながら楽しむ。イギリスと韓国と日本の文化の融合である。火傷しそうな熱さも前述のジャスミン茶がスゥーと熱を奪い、次のカレーを自然に口に運んでしまうのである。
 写真は「くりや」のご主人である。まったくまったく、質問好きのつっくんが疑問をどんどんぶつけている。父親としては汗顔のいたりであるが、ご主人は優しく丁寧に一つ一つの質問に答えて下さるのだ。
 この日は食事に含まれている油分についての質問だ。調理に使う油はどうしているかだ。ご主人は「常に新しい新鮮なものを使います。油は時間が経つと酸化してしまい体に悪いからです。また熱を加えることにより、重合して油の酸化が進むからです。」当時小学校4年生のつっくんにとても丁寧に説明してくれたのである。このことにより、ますますゆきたんくは「くりや」ファンになってしまったのであった。