ここの記述は「幸せなとき4」と同じである。
日々の楽しみは授業が終わってから寮に帰り、朝飯の残りのパンを漫画を見ながら食べることであった。その頃は朝飯のパンは菓子パンであることが多かったので、けっこうなおやつになったのであった。
高校2年の秋、10月のことである。
同じクラスの友達が話があるという。
寮のある高校の敷地内にある喫茶店に呼び出された。
というより、おごってやるから来いというものだった。
友 「おい、お前このままでいいのかよ。」
ゆ 「えっ? なんだい。」
友 「お前、でっかい図体して何もしなくていいのかよ。」
ゆ 「何だよ、急に」
友 「このままじゃ、終わっちゃうぜ。」
ゆ 「何が言いたいんだ。」
友 「楽ばかりしていないで、スポーツをやれ。」
ゆ 「何で?」
友 「お前なぁ、今しか無理はできないぞ!」
この赤字の部分。これがゆきたんくの心を動かしたのである。
ゆ 「じゃ、やってみるよ。」
この友達が陸上競技部だったもので、ゆきたんくも陸上競技部に入ったのである。
部活動への本格的な取り組み、丈夫な体を得、自分の人生でまだ開かれていなかったスポーツというジャンルへ踏み込んだのである。
何よりも、自分に意見をしてくれる友がいたことが幸せだったのである。
ともあれ、入部は一ヵ月後ということにした。
この時、文化祭に参加予定でマンドリンの練習に余念がなかったのである。 |