悲愁作詞・作曲 ゆきたんく

 この曲は9番目のオリジナル曲です。
 世の中の不条理に気づき、問題意識を持ち始める年齢というのはだいたい中学生ぐらいでしょうか。他の項でも述べているとおり、私は一人っ子でのんびりしていました。よって先に書いた問題意識を強く持ち始める時期もだいぶ遅かったようです。
 ある日新聞を読んでいると、つり好きの人が魚がよくつれるということで、危険防止の網をペンチで切り、釣りを楽しんでいた。
 その後、そこから幼児が入り、川にはまって溺死したという記事が載っていました。小さな記事でしたが、大変憤りを感じ、それを曲にしてみました。


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                                         ゆきたんく
夕刊の 片隅の 小さな記事は
今日も涙を流していた
注意しなければ 見逃してしまいそうな
小さな 小さな 悲しみが 息をしてた
心ない 太公望が 命の網を破り
網の破れ目から 中へ入った
無邪気な その命は
太陽とともに水に沈んだ
  冷たい 水の中に
  魂は溶け 消えていった
  太陽はまた昇るけど
  子供は もう戻って こない
新聞の番組の 小さな見出しに
僕はまた 悲しみを 見つけた
何故 他人は その事件を 見たがるのか
自分は 自分は 悲しみたくないのに
突然訪れた不幸に 命をすり減らし
悲しみに耐えている その人をどうして見れる
同情なんかをしてみたって
  それは好奇心の
  変身したものに変わりはない
  悲しみとは その悲しみの主人公に 
  なった時だけ 分かる